【技術記事】AX3・AX6の連続記録時間は設定によって変わる

Axivity AX3 AX6 テガラ株式会社 技術情報記事 連続記録時間は設定で変わる

AxivityのAX3・AX6は、加速度などのデータを本体内部に記録できる小型データロガーです。

メーカー公式データシートでは、AX3は説明欄に最大21日間、仕様欄には12.5 Hzで30日間、100 Hzで14日間という記載があります。AX6については、100 Hzで加速度とジャイロの両方を記録する場合に7日間と案内されています。

一方で、GitHub上で公開されているAX3・AX6のFAQでは、設定条件によってこれより長い記録時間を確認できます。

そこでメーカーへ確認したところ、実際の連続記録時間は一定ではなく、サンプリング周波数や記録方式、使用するセンサーなどによって変化することが分かりました。

では、AX3・AX6の連続記録時間は、どのような条件で変わるのでしょうか。

1.AX3・AX6の記録可能期間は一定ではない

結論として、AX3・AX6の連続記録時間は、設定する測定条件によって変わります。サンプリング周波数や記録方式、使用するセンサーによって、保存するデータ量やバッテリー消費が変化するためです。

実際の記録時間は、バッテリーとストレージのどちらかが先に上限へ達した時点で決まります

バッテリーが先に切れればそこで記録は終了し、ストレージが先に一杯になれば、それ以上データを保存できません

2.記録時間に影響する主な設定

サンプリング周波数

サンプリング周波数は、1秒間に何回データを取得するかを表します。例えば、25 Hzでは1秒間に25回、50 Hzでは1秒間に50回データを取得します。

サンプリング周波数を高くすると、同じ時間でも保存するデータ量が増えるため、ストレージをより早く消費し、記録可能な期間も短くなります。

AX3のPacked / Unpacked

AX3/AX6 Logging Accelerometer

AX3には、PackedとUnpackedという2つの記録方式があります。Packedは、1回の測定データをコンパクトな形式で保存する方式です。Unpackedでは、加速度の値をPackedより細かく記録するため、1回の測定あたりのデータ量が大きくなります。

そのため、同じサンプリング周波数で記録した場合、Unpackedの方がストレージを早く消費し、記録可能な期間は短くなります。

AX6で使用するセンサー

AX6は、3軸加速度センサーに加えて3軸ジャイロセンサーを搭載しており、計6軸のデータを取得できます。

記録時には、加速度のみを使用する設定と、加速度とジャイロの両方を使用する設定があり、どちらを使用するかによって保存可能なデータサンプル数やバッテリー消費が変わります。

なお、サンプリング周波数やPacked / Unpackedの記録方式、AX6で使用するセンサーなど、設定条件ごとの連続記録期間は、AX3・AX6のFAQ で詳しく確認できます。

3.設定によってどれくらい記録時間が変わるのか

AX3・AX6のFAQでは、サンプリング周波数や記録条件ごとの最大記録期間の目安が公開されています。

以下は、1回の満充電からの最大記録期間の目安です。括弧内の数値はストレージ容量上の時間であり、再充電なしで連続記録できる時間ではありません。

横幅に収まらない場合は、表を左右にスクロールしてください。

AX3・AX6 設定条件別の最大記録期間 (FAQの数値)
機種 記録条件 保存可能サンプル数 6.25 Hz 12.5 Hz 25 Hz 50 Hz 100 Hz 200 Hz 400 Hz 800 Hz 1600 Hz 3200 Hz
AX3 Packed^ 119009040 samples – ~65d (110d) ~48d (55d) 27d* 13.5d* 6.8d 3.4d 41.3h 20.6h 10.3h
AX3 Unpacked^ 79339360 samples ~65d? (146d) ~65d? (73d) 36.5d 18d 9d* 4.5d 2.3d 27.5h 13.7h 6.8h
AX6 加速度のみ 158714880 samples ~244d? (293d) 146d 73d 36.5d 18.3d 9.1d 4.5d 55.1h 27.5h –
AX6 加速度+ジャイロ 79357440 samples – – 7-9d (36.7d) 7-9d (18d) 7-9d* 4.5d 2.3d 27.5h 13.7h –

表の記号・注記

  • d:日、h:時間。
  • −:非対応の設定。
  • ?:外挿による推定値。
  • ~:充電量による制限や個体差があり、不確実性が高い値。
  • ( ):バッテリーが先に上限へ達すると考えられる場合の、ストレージ容量上の時間。到達には再充電が必要です。
  • *:ストレージとバッテリーの上限が近く、どちらが先に上限へ達するかは個体によって異なります。
  • ^:AX3のPackedは各軸10 bitで使用されます。対してUnpackedはフル解像度で使用され,測定レンジ (2/4/8/16g) に応じて1軸あたり10/11/12/13 bitの解像度となります (データは 16 bit値 として格納されます) 。

出典:Open Movement AX3/AX6 FAQ — Maximum recording duration (GitHub) (2026年9月30日現在)。見出し・記録条件・注記を日本語化し、数値と記号は原表に沿って掲載しています。

AX3の記録期間は、25 Hzの場合、Packedで約48日、Unpackedで約36.5日が目安です。50 Hzに上げると、それぞれ約27日、約18日に短くなります。

AX6で加速度のみを記録する場合は、25 Hzで約73日、50 Hzで約36.5日。一方、加速度とジャイロの両方を使用すると、25~100 Hzで約7~9日にとどまります。

なお、FAQとデータシートでは、記録期間の数値が異なります。
メーカーに確認したところ、正式な案内はFAQ側とのことですので、基本的にはFAQの数値を参考にするとよいでしょう。

4.長期計測では「最大記録日数」だけで計画しない

長期間の測定を行う場合、最大記録時間ぎりぎりの日数で計画するのは避けた方がよいです。

AX3・AX6に搭載されているバッテリーは、使用を重ねることで徐々に劣化し、満充電時に利用できる容量も減少していきます。また、指定した日時から自動的に測定を開始できますが、開始前の待機中にもわずかにバッテリーを消費します。

こうした点を踏まえ、メーカーが示している最大記録時間をそのまま測定可能期間として考えるのではなく、バッテリーの使用状況や劣化状態などを考慮しながら、ある程度余裕を持って測定期間を計画する必要があります。

記録時間を長くすることを優先して測定条件を決めるのも適切ではありません。例えば、サンプリング周波数を下げれば記録可能期間を延ばせますが、測定したいものを捉えるために必要なデータを取得できなくなる可能性があります。

そのため、まず測定したい内容に合わせて、必要なサンプリング周波数や記録方式、使用するセンサーを決め、その条件で必要な測定期間を確保できるか確認することが重要です。

5.まとめ

AX3・AX6の連続記録時間は、製品ごとに決まった固定値ではなく、サンプリング周波数や記録方式、使用するセンサーなどの設定条件によって変わります。

「AX3は最大21日」「AX6は100 HzのIMU記録で7日」といった代表的な記載だけを見るのではなく、実際に使用する条件でどの程度記録できるのかを確認することが重要です。

長期計測では、記録時間を延ばすことだけを優先せず、必要なデータを取得できる測定条件を先に決めたうえで、バッテリーやストレージに余裕を持った計画を立てる必要があるでしょう。

設定条件ごとの詳細な記録時間については、AX3・AX6のFAQを確認しながらご検討ください。

AX3・AX6の導入に関するご相談

ユニポスでは、AX3・AX6の製品選定や調達に関するご相談を承っています。
測定条件や記録期間についてご不明な点がございましたら、必要に応じてメーカーへの確認も行います。
ご検討中の測定内容、サンプリング周波数、使用するセンサー、希望する記録期間などをお知らせください。

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参考資料・引用元

本記事は2026年9月30日時点で確認した公開資料およびメーカーへの確認内容をもとに作成しています。

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