商社のお客さまへ
【製品紹介】なぜ 電気自動車の電圧・電流計測器として Klaric の製品が選ばれるのか、ご紹介します
海外製品調達・コンサルテーションンサービス ユニポス では、ドイツのシュトゥットガルトを拠点とする計測器メーカー「Klaric 社製 電圧・電流計測器」の取り扱いを開始しました。
Klaric 社は、車両やテストベンチにおけるモバイル および 固定アプリケーション向けの測定およびテスト技術の開発を専門としているメーカーで、EV市場の拡大による開発期間の短縮や開発車種の増加に伴う電動システムの複雑化による試験の増加に対して、試験の質と効率化へのソリューションとして様々な製品を提供しています。
特に同社の高電圧計測モジュールは、全計測チャネル1,500Vのガルバニック絶縁機能を有し、EVのエネルギー効率利用向上に伴う EVバッテリー規格の高電圧化(400Vから800Vに変化)に対応適応しています。
通常の500V耐電圧の計測器よりも、電気コンポーネントの高電圧側へのアクセスへの安全性の確保と取り扱いの容易さに於いて支持を得ており、欧州の主たる自動車メーカー複数社にて導入されています。
本ページでは、そんな「Klaric 社の製品が選ばれる理由」について、深掘りしてお伝えできればと思います。ドイツのメーカーによる「欧州規格の測定器」の導入をご検討の方に、是非ご参照いただければ幸いです。
目次
Klaric 社製品導入メリット : 試験の準備にかかる時間を 50％以上短縮可能な、多数の機能
「なぜ 電気自動車の電圧・電流計測器として Klaric の製品が選ばれるのか」。
その大きな理由は、Klaric の製品が 車両試験の準備期間を「50%以上」短縮することを可能とする、多数の機能・特徴を持っているためです。以下、それぞれの機能をご紹介します。
Point 1 : ワイドレンジ計測
低レンジ待機状態から高レンジの動作状態の計測をカバー
Klaricの計測モジュールは、内部にゲイン増幅器が入っているため入力電圧の幅が広く、ゲインは1倍～100倍まで設定が可能なため、100倍のレンジアビリティの設定が可能です。
Point 2 : オートレンジ
レンジの事前設定が不要。試験前の準備時間を大幅に短縮
Klaricの計測モジュールでは、オートレンジ機能が標準装備されており、信号レベルに応じ 計測レンジを自動で切り替えます。このため試験前のレンジ設定作業が不要となり、試験の準備にかかる時間を大幅に削減できます。
オートレンジ機能の最大の利点は、計測値に対して最大の分解能で電流・電圧を計測できる点です。
最大10Aの電流を100mΩのシャント抵抗で計測する場合、計測モジュールの精度±0.1％Reading±3bitとなるため、以下の表で示すように 計測値が小さくなるほど、最大レンジで見た場合の計測精度が驚異的に向上します。
| 計測電流 I (A,mA) | 計測レンジ (自動で切り替え) | 計測誤差 (mA) | 電流値に対する精度 (%) | 計測レンジ10Aに対する精度 (%) |
|---|---|---|---|---|
| 10A | 10.5A | 10.9613 | 0.110% | 0.1096130% |
| 2.1A | 2.1A | 2.2923 | 0.109% | 0.0229226% |
| 0.42A | 0.42A | 0.4585 | 0.109% | 0.0045845% |
| 0.27A | 0.27A | 0.2947 | 0.109% | 0.0029472% |
| 0.09A | 0.09A | 0.0982 | 0.109% | 0.0009824% |
| 10mA | 90mA | 0.0182 | 0.182% | 0.0001824% |
| 1mA | 90mA | 0.0092 | 0.924% | 0.0000924% |
Point 3 : ダイナミックサンプリングレート
自動的にサンプリングレートの変更が可能。待機状態のデータ量を大幅に削減
Klaricの計測モジュールでは、ダイナミックサンプリングレート機能が標準装備されています。
計測値に対して閾値を設定し、計測値が閾値を超えた場合サンプリングレートを自動的に可変します。これにより、コンポーネントの待機時間のデータ量を大幅に削減する事が可能です。
Point 4 : 自動プローブ認識機能
自動的にプローブの校正情報を取得。試験前の準備時間を大幅に短縮
Klaricのプローブセンターには全て、センサーの内容と校正値が記憶されたチップが内蔵されています。
Klaricの計測モジュールでは、プローブセンサーからセンサー内容を読み取りセンサーの自動認識を行い、自動的に計測のセッティングを行います。
この機能により機器の設定ミスなどのヒューマンエラーを低減します。
Point 5 : 高精度な合算値
計測モジュールとプローブセンサーの高精度な合算値
精度仕様：±0.1%読値±3bit 23℃±5℃、±1％読値±3bit -40℃~+85℃ ※
※ADコンバーターは16bitのうち，1bitはパリティビットのため，計測値は15bit分解能(2^(-15))となります。
Point 6 : 自動DBC/A2Lファイル生成
DBCもしくはA2Lファイルを自動生成し，システムに統合
Klaricの計測モジュールは全て、CAN Bus出力とXCP-On-Ethernet出力でデータを出力します。
CAN Busにて、信号認識のためのDBCファイル及びA2Lファイルを自動生成し、CANのシステムに統合されます。
これにより、市販のCANデータロガーで車両のECUの信号との同期計測が可能になります。または、CAN-USB変換期を通して簡単にPCに取り込む事が可能です。
以上のような特徴を備えた Klaric の計測器を利用することで、車両試験にかかる時間を短縮し、ひいては電気自動車の研究開発を加速することに繋がります。
各計測における製品の組み合わせ例
Klaric 社では 上記の項でご紹介したような特徴をもった、様々な機器がラインアップされています。これらの機器を組み合わせることで以下のようなソリューションを実現可能です。
以下のご紹介内容はメーカーサイトのAPPLICATIONSページを参考としています。
高電圧計測
※ 画像クリックで拡大します |
利用されている製品 |
※ 画像クリックで拡大します |
利用されている製品 |
※ 画像クリックで拡大します |
利用されている製品 |
※ 画像クリックで拡大します |
利用されている製品 |
低電圧計測
※ 画像クリックで拡大します |
利用されている製品 |
※ 画像クリックで拡大します |
利用されている製品 |
※ 画像クリックで拡大します |
利用されている製品 |
※ 画像クリックで拡大します |
利用されている製品 |
Klaric 製品 ラインアップ
高電圧モジュール : HV Measurement Modules
| MULTI HV-UIT CAN | 電流・電圧・温度計測 CAN2.0A/B出力タイプ |
| MULTI HV-ANALOG | 電圧計測 CAN 2.0A/B出力タイプ |
| MULTI HV-UIT ETH | 電流・電圧・温度計測 ETHERNET出力タイプ |
| MULTI HV-ANALOG ETH | 電圧計測 ETHERNET出力タイプ |
| MULTI-HV THERM | 熱電対計測 CAN出力タイプ |
| MULTI-HV RTD | 測温抵抗体計測 CAN出力タイプ |
高電圧プローブ：HV ProbeHV-HP-PROBE 高電圧用、電流・電圧検出プローブ
| HV-U-PROBE | 高電圧用、電圧検出プローブ |
| HV-HI-PROBE | 高電圧用、電流検出プローブ |
| HV-T-PROBE | 高電圧用、熱電対プローブ |
| HV-LEM-PROBE | 高電圧用、非接触電流検出プローブ |
| HV-LP-PROBE | 高電圧用、低電力 電流・電圧検出プローブ |
| HV-LI-PROBE | 高電圧用、低電流検出プローブ |
| HV-U/U-PROBE | 高電圧用、2点電圧検出プローブ |
高電圧ブレイクアウトボックス：HV Breakout Box
| HV BREAKOUT-BOX HIGH POWER | 高電圧、高出力検出ブレイクアウトボックス |
| HV BREAKOUT-BOX LOW POWER | 高電圧、低出力検出ブレイクアウトボックス |
| HV-BREAKOUT-BOX １PG/1PG | 高電圧、1PG/1PG ブレイクアウトボックス |
| HV-BREAKOUT-BOX 2PG/2PG | 高電圧、2PG/2PG ブレイクアウトボックス |
| HV-BREAKOUT-BOX 3PG/3PG | 高電圧、3PG/3PG ブレイクアウトボックス |
低電圧モジュール：LV Measurement Modules
| KLARI-CORD5 | USBメモリー出力(データロガー機能)/CAN出力/Ethernet出力 全てカバー 特にスタンドアロンデータロガーとして使えるので、その利便性も高まります。 |
| MULTI-4 | 4端子8ch入力 CAN 2.0 A/B出力タイプ (MULTI-HV-UITの低電圧版) |
| MULTI-8 | 8端子16ch入力 CAN 2.0 A/B出力タイプ |
| MULTI-4 ETH | 4端子8ch入力 ETHERNET出力タイプ |
| MULTI-8 ETH | 8端子16ch入力 ETHERNET出力タイプ |
低電圧プローブ：LV Probe
| HP-PROBE | 低電圧用、電流・電圧検出プローブ |
| HI-PROBE | 低電圧用、電流検出プローブ |
| U-PROBE | 低電圧用、電圧検出プローブ |
| FK1/MINI FUSE PROBE | 低電圧用、電流検出プローブ、FK1/MINIフューズ対応 |
| FK2/ATO FUSE-PROBE | 低電圧用、電流検出プローブ、FK2/ATOフューズ対応 |
| FK3/MAXI FUSE-PROBE | 低電圧用、電流検出プローブ、FK3/MAXIフューズ対応 |
| MCASE FUSE-PROBE | 低電圧用、電流検出プローブ、MCASEフューズ対応 |
| MICRO2 FUSE-PROBE | 低電圧用、電流検出プローブ、MICRO2フューズ対応 |
| MICRO3 FUSE-PROBE | 低電圧用、電流検出プローブ、MICRO3フューズ対応 |
| PT-1000 SENSOR | 低電圧用、測温抵抗体プローブ |
| LI-PROBE | 低電圧用、低電流検出プローブ |
| LI-DUALSHUNT-PROBE | 低電圧用、超ワイドレンジ電流検出プローブ（デュアルシャントセンサー） |
EVチャージモニター：EV Chrge Monitor
| EV CHARGE-MONITOR RUGGED | 屋外用 EVチャージモニター |
| EV CHARGE-MONITOR LAB | 屋内用 EVチャージモニター |
Klaric 製品のお問い合わせ・ご購入はお気軽にご連絡ください
テガラ株式会社 ユニポス事業部 では、お客様の用途に適した Klaric 製品を調達、ご提供いたします。
既にご希望の製品がお決まりの場合はもちろん、どの製品を選ぶべきかわからず相談したい…といった場合にもお気軽にお問い合わせください。お客様に最適な製品選定のお手伝いをいたします。
