BirdNETとは?AIで鳥・野生動物の鳴き声を識別|Kaleidoscopeでできること
野鳥調査や生物多様性モニタリングでは、レコーダーを設置し、現地の音を長期間にわたって記録する手法が活用されています。
録音期間が長くなるほど音声データの量も増え、目的の鳴き声を探し、種を確認する作業に多くの時間がかかることがあります。
こうした音声データの解析を支援する技術の一つが、AIを活用して生物の鳴き声から種の識別を行うBirdNETです。
この記事では、BirdNETの概要と、Wildlife Acousticsの生態音響解析ソフトウェア「Kaleidoscope」での活用方法、解析結果を確認する際のポイントをご紹介します。
BirdNETとは?
BirdNETは、録音された生物の鳴き声などをAIで解析し、種の識別を支援する技術です。
名前に「Bird」とありますが、解析対象は鳥類だけではありません。Kaleidoscopeで利用できる公式モデルは、鳥類に加え、哺乳類・両生類・昆虫類を含む10,000種以上の音声をもとに学習されています。
フィールドで長期間録音すると、大量の音声データが蓄積されます。その中から対象となる鳴き声を探し、ひとつずつ確認する作業には多くの時間がかかります。
BirdNETをKaleidoscopeで利用することで、録音データから生物の鳴き声を検出し、種の候補を確認する作業を進めやすくなります。解析から識別結果の確認・整理までを同じソフトウェア上で行えるため、野鳥調査や生物多様性モニタリング、環境アセスメントなどに役立ちます。
※識別対象となる種は、使用するモデルやバージョンによって異なります。調査対象種への対応状況は、使用するモデルの対象種リストをご確認ください。実際の録音データに対する識別結果は、デモ版でお試しいただけます。
※ Kaleidoscope BirdNETライセンスによるBirdNET解析の対象は、Wildlife Acoustics製Song Meterで録音した対応ファイルです。他社製レコーダーで録音した対応ファイルをBirdNETで解析する場合は、Kaleidoscope Proライセンスをご利用ください。
このような調査・研究に
- 鳥類やその他の生物の生息状況・活動の把握
- 長期間の録音データから、対象種の鳴き声を探索
- 複数地点の録音結果を活用した生物相の把握
- 生物多様性モニタリングや、環境アセスメントへの音響データの活用
- 大量の録音データを確認する作業負担を軽減
KaleidoscopeでBirdNETを使うと何ができる?
Kaleidoscopeは、Wildlife Acousticsが提供する生態音響解析ソフトウェアです。Kaleidoscope 6.0以降ではBirdNETを利用でき、録音データからの音声検出、種の識別、結果の確認を同じソフトウェア上で進められます。
レコーダーで収集した複数の音声ファイルをまとめて処理し、生物の鳴き声と考えられる音を検出します。検出した音に対してBirdNETが種の候補とスコアを出力します。
長期間の観測や複数地点での調査など、録音ファイルが多い場合にも、確認する音を探す作業を進めやすくなります。
BirdNETの地理モデルを利用すると、録音場所や日付に基づいて、その地域・時期に出現する可能性が低い種を結果から除外できます。
録音ファイルに位置・日付情報が含まれていない場合は、解析時に既定の場所や日付を設定できます。
※設定した条件によっては、確認したい種が結果から除外されることもあります。調査目的に合わせて設定をご確認ください。
解析結果は一覧で確認でき、各結果を選択すると、対応する音声の波形やスペクトログラムを表示できます。
BirdNETが提示した種の候補を参考に、実際の音を聴いたり、スペクトログラムで音の特徴を確認したりしながら、識別結果をレビューできます。
スペクトログラムとは?
音の周波数や強さの変化を、時間の経過に沿って視覚的に表したものです。鳴き声の特徴を目で確認する際に役立ちます。
BirdNETによる解析結果はCSVファイルとして保存されます。処理後の結果を再度開いて確認できるため、収集したデータを整理しながら解析を進められます。
Song Meterで録音し、BirdNETで解析する
Wildlife Acousticsの「Song Meter」シリーズで現地の音を記録し、KaleidoscopeのBirdNET機能で解析することで、録音から種の候補の確認までをつなげられます。
例えば、次のような流れで活用できます。
STEP 1
調査地点で音を記録
Song Meter Micro 2やMini 2などを調査地点に設置し、生物の鳴き声や周囲の環境音を録音します。
STEP 2
録音データをまとめて解析
収集した音声ファイルをKaleidoscopeに読み込み、BirdNETで解析します。調査地点や時期に応じた設定も行えます。
STEP 3
種の候補を確認
解析結果の一覧から注目する音を選び、音声やスペクトログラムを確認します。必要に応じて手動で識別結果を記録します。
STEP 4
調査結果の整理に活用
確認した結果を、対象種の記録や、調査地点・時期ごとのデータ整理に役立てます。
BirdNETの結果を見るときの3つのポイント
BirdNETの識別結果は、録音データから調査対象の鳴き声を探す際の手がかりになります。結果を活用する際は、次の3つのポイントをご確認ください。
BirdNETが表示する種名は、音声の特徴から推定された候補です。識別結果をそのまま確定せず、実際の録音音声を聴き、スペクトログラムや参照音源などとあわせて確認してください。
特に、希少種や調査地域では想定していなかった種が検出された場合は、慎重な確認が必要です。
BirdNETは、検出した音声に対して、種の候補とそのスコアを提示します。一般にスコアが高いほど識別結果の精度は高くなる傾向がありますが、種や録音環境などによって異なります。
例えば、スコアが80%であっても、「80%の確率で正しい」という意味ではありません。風や雨、遠くからの鳴き声、複数の音の重なりなどもスコアに影響します。
録音場所や日付に基づく絞り込みを利用する場合は、位置情報と日付が正しく設定されているか確認してください。設定によって、結果に表示される種の候補が変わります。
また、スコアのしきい値を高くすると、曖昧な候補を減らしやすくなる一方、実際に録音された鳴き声が結果から除外されることもあります。調査対象や録音条件に合わせて設定してください。
BirdNETを利用できるライセンス
Kaleidoscopeでは、Kaleidoscope BirdNETライセンスまたはKaleidoscope ProライセンスでBirdNET機能を利用できます。
Song Meterの録音データをBirdNETで解析したい場合はBirdNETライセンス、クラスター分析やコウモリの自動種識別なども利用したい場合はProライセンスが選択肢になります。
| 比較項目 | Kaleidoscope BirdNET | Kaleidoscope Pro |
|---|---|---|
| BirdNETによる種の識別 | 対応 | 対応 |
| クラスター分析 | 非対応 ※信号の抽出は可能 | 対応 |
| コウモリの自動種識別 ※ | 非対応 | 対応 |
| 主な用途 | BirdNETを使った種の識別 | BirdNETを含む幅広い音響解析 |
| ライセンス期間 | 1年間 | 年間ライセンス |
※表は横にスクロールしてご覧いただけます。
※コウモリの自動種識別は、対応する種や地域の識別モデルに基づいて行われます。対象や利用条件は製品ページをご確認ください。
録音データについて
Kaleidoscope BirdNETライセンスでは、Wildlife Acoustics製Song Meterで録音したデータを解析できます。他社製レコーダーの対応ファイルをBirdNETで解析する場合は、Kaleidoscope Proをご利用ください。
※対応ファイルや機能、最新のライセンス条件については、製品ページをご確認ください。
音声データを、生物調査の手がかりに
長期間の音響モニタリングでは、録音したデータをどのように確認し、調査に役立てるかが重要になります。
BirdNETとKaleidoscopeを組み合わせることで、大量の録音データから鳴き声を探し、種の候補を確認する作業を進めやすくなります。
ユニポスでは、KaleidoscopeのライセンスやSong Meterシリーズのお見積もり・調達を承っています。調査対象や録音環境に合う製品をお探しの際は、お気軽にご相談ください。
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音響調査に合う製品・ライセンスをご相談ください
KaleidoscopeのライセンスやSong Meterの機種選定など、調査目的や録音環境に応じた製品の導入をご相談いただけます。
ご利用予定のレコーダーや解析したい音声についても、お気軽にお聞かせください。
※ ライセンスの選び方、対応する録音データ、お見積もりについてもご相談いただけます。




