【特集記事】クルマ関連のユニポス人気商品ご紹介 第2弾

ますます注目が集まるクルマ関連商品

8月の「クルマ関連のユニポス人気商品ご紹介」以降、クルマ関連商品への注目が非常に高まっています。その流れを受けて、いま特に注目を集めている車関連の人気商品を改めてご紹介いたします。研究開発業務での参考情報として、是非ご活用ください。

 

Orbbec Femtoシリーズ | 画像認識や距離計測での活用

製品概要

3Dカメラは自動車向けの画像認識技術や距離計測技術、自動運転技術などと関連性が強く、車載カメラとして活用されています。
特に注目が高まっているOrbbec社は、2013年から産業向けの3Dビジョン製品の開発と提供を続ける3Dカメラメーカーです。
同社の開発した3Dカメラで最も今後の発展が期待されるOrbbec Femtoは、高解像度深度データを取得可能なToF方式の3Dカメラです。様々なシチュエーションでの利用を想定し、複数の製品ラインナップが用意されています。

 

Orbbec Femto にはAzure Kinect DKの技術が応用されている

2023年8月にAzure Kinect DKの生産終了がアナウンスされました。このニュースを受けて、「代替品には何を使うのがいいのか」というご相談をいただく機会が増えています。

そこで代替品としてメーカーに推奨されている製品がOrbbec Femto Boltです。

Orbbec FemtoシリーズはMicrosoftとOrbbecのコラボレーションにより作られた製品で、Kinectの技術が応用されています。特にOrbbec Femto BoltはAzure Kinect DKとよく似た製品であり、同一の性能および動作モードを提供している点や、Azure Kinect DK と同じ深度カメラモジュールを使用している点など、代替品として選択しやすい要素を多く含みます。

 

Orbbec Femtoシリーズのラインナップ

FemtoBolt Azure Kinect DK Orbbec Femto Bolt (Azure Kinect DK と近しい運用が可能なコンパクトモデル)
スペック 1メガピクセルToFセンサー搭載 120°FOV デプスカメラ、120°視野角、4K RGBカメラ、6DoF IMU
用途 寸法測定、協働ロボット(コボット)、ビンピッキング、ボディスキャン
FemtoMegaI 3D ToF Camera Orbbec Femto Mega I (産業グレード(IP65)のプログラマブルなマルチモード3Dカメラ)
スペック IP65の防塵・防水性能、PoEを備えた工業用グレードのM12Xコーディング・イーサネット・ポート(with PoE)
用途 デパレタイゼーション、上げ下ろしロボット、大きなオブジェクトの寸法測定
Orbbec Femto Mega (Jetson Nano搭載モデル)
スペック NVIDIA Jetson Nano搭載、POE (Power over Ethernet) 、マルチセンサーネットワークのための高度で正確な同期トリガー
用途 品質管理、寸法測定、医療装置などでの患者の位置決め、トレーニング (スポーツ等)
Orbec Femto W (広視野角モデル)
スペック 広い視野角、640×480の深度解像度、3840×2160のRGB解像度、暗闇で使用可能、マルチカメラ同期に対応、IMU対応
用途 インタラクティブディスプレイ、患者の位置決め、ボディスキャンなどのアプリケーションに適しています。
Orbbec Femto (標準モデル)
スペック 高品質の深度データ、0.2mから5mの範囲、640×480の深度解像度、1920×1080のRGB解像度、IMU対応
用途 リハビリ、ビンピッキング、ボディスキャン

Car Fire Blanket | クルマやバッテリーの延焼を食い止める

製品概要

Car Fire Blanketは、Bridgehill AS社が製造した自動車火災対策用の消火ブランケットです。自動車の延焼を食い止める他、有害物質の拡散を防ぐことのできる製品です。特に電気自動車 (EV) などの蓄電池を搭載した車両の火災に効果的で、優れた消火性能を発揮します。

 

使用方法

Car Fire Blanketの使い方は、非常にシンプルです。広げたブランケットで車全体を覆い空気を遮断することで炎上の拡大を防ぎます。

STEP1 準備
Car Fire Blanketを車の前か後ろの地面に置き、広げてください。
STEP2 車を覆う
作業者 2名でCar Fire Blanketの取っ手部分を持ち、火の手に気を付けながら一気に車の上に覆いかぶせてください。
STEP3 Car Fire Blanketをかけたままにする

Car Fire Blanketが地面までしっかりと密着していることを確認してください。
ここまでが完了したら、消防士が状況を確認するまで待ちます。
電気自動車で火災が発生した場合は、車両が安全な場所に搬送されるまで、Car Fire Blanketをかけたままにしておくことをお勧めします。

 

スペック

Car Fire Blanketの寸法や重量は以下の通りです。

サイズ ± 6×8 m
重量 ± 28 kg
使用方法 Car Fire Blanketを火災車両の上にかぶせることで、火と煙を即座に遮断します。
EV車両の場合、Car Fire Blanketの利用によってバッテリーが酸素のない環境で燃え続ける状態を防ぎます。

※Car Fire Blanket PRO Xは、最大30回の火災で再利用可能です。

 

活用の例

Car Fire Blanketは、車両が関係する様々な状況に有効な製品です。研究開発においても、蓄電池や車両実験での利用が想定されます。それ以外でも、以下のような場所に備えておくことにより、火災トラブルの影響を最小化することができます。

車両が集中し、
大規模な火災の危険がある場所
駐車場、トンネル、空港
迅速な消火が求められる場所 フェリー、
ガソリンスタンド、EV車充電スタンド
故障車からの発煙が想定される場所 自動車修理工場、レッカーサービス

 

参考情報

EVの火災対応 | Bridgehill


EV火災ブランケットのテスト | Bridgehill

Fire Blanket技術に関するQ&A | Bridgehill

SAE規格 | 自動車技術者協会が発行する工業規格

SAE規格は、SAEインターナショナルの提供する自動車関連および航空宇宙関連の標準規格です。
SAEインターナショナルは、1905年に米国自動車技術会として設立され、自動車関連および航空宇宙関連の規格を策定しています。SAE規格は、世界中のオートモーティブ技術の専門家によって開発され、製品の性能、品質、安全性向上の基準となっています。

SAE規格の詳細情報については、SAE InternationalのWEBサイトで提供されており、必要な規格名での調査が可能です。

過去に取り扱った規格番号の一例

タイトル 規格番号

Communication for Wireless Power Transfer Between Light-Duty Plug-in Electric Vehicles and Wireless EV Charging Stations

J2847/6_202009

Safety and Design Standards for Motor Vehicle Refrigerant Vapor Compression Systems

J639_202011

Test Procedure for Determining Refrigerant Emissions from Mobile Air Conditioning Systems

J2763_201502

R-1234yf and R744 Design Criteria and Certification for OEM Mobile Air Conditioning Evaporator and Service Replacements

J2842_201906

R-1234yf (HFO-1234yf) New Refrigerant Purity and Container Requirements for Use in Mobile Air-Conditioning Systems

J2844_201301

R-12 (CFC-12), R-134a (HFC-134a), R-1234yf (HFO-1234yf), R-744, and R-152a (HFC-152a) Technician Training for Service and Containment of Refrigerants Used in Mobile A/C Systems

J2845_202111

Test Procedure for Internal Heat Exchangers of Mobile Air-Conditioning Systems with R-134a or R-1234yf Refrigerant

J3094_202004

Involute splines, Serrations, and Inspection

J498B_196507

Motor Vehicle Drivers’ Eye Locations

J941_201003

E/E Diagnostic Test Modes: OBDonUDS

J1979-2_202104

USCAR INFLATOR TECHNICAL REQUIREMENTS AND VALIDATION

USCAR24-2

車両診断ツール | クルマのシステムやエンジン等の整備点検ツール

診断ツールは、自動車のエンジンやその他のシステムに関する診断を行う際に用いられます。
また、車両のソフトウェアをアップデートしたり、車両の各種データを収集してトラブルシューティングや性能分析に使用したりと様々な用途で活躍するツールです。

Mongoose-Plus | OEM車両診断インターフェース
SAE J2534-1 と J2534-2 規格に対応した高性能なリプログラミング診断インターフェース。
Mongoose-Plusは、OEM固有に設計されており、それぞれ Chrysler, Ford, GM, Honda, Nissan, Toyota, VW/Audiの各OEMのJ2534アプリケーションで動作します。なおこれらは、診断・プログラミング能力を向上させる働きがあります。

DiagRA D | 車両診断 ソフトウェア ツール
自動車、トラック、バス、オートバイの車両コントロールユニットからの診断データを収集する、診断ソフトウェアツール。
主要な国際的自動車OEMや一次サプライヤーで、車両の品質保証などに関わる研究開発者さまに利用されています。

CarDAQ-Plus 3 / CarDAQ-Pro | 世界で最も利用 J2534 パススルー ツール
SAE J2534-1 と J2534-2 規格に完全対応したパススルー通信デバイス。CAN FD, 4 CAN Channels, J2534 v05.00 API, DoIPといった高度な規格にも対応しています。

MyCANIC-IOT / MyCANIC-FD | EEPod社製 車両インターフェース モジュール
絶縁型の車両インターフェイスモジュール。
スタンドアロンおよびパススルー (J2534)での車両診断、再プログラミング、シミュレーション、データ取得機能を搭載しており、 スタンドアロンモードでは、世界で最も高速なCAN/CAN-FD 車両 ECU 再プログラミングデバイスです。

 

Vecow | クルマでのリアルタイム処理に適した小型ファンレスPC

Vecowは台湾のPCメーカーで、産業用途向けの小型ファンレスコンピュータを提供しています。具体的な用途は以下のとおりです。

車載コンピュータ 車両の走行状況に関連したリアルタイムの分析などで用いられます。最近では、運転支援システム、データ収集などに活用されるケースが多いです。
監視カメラ映像分析 セキュリティや監視システムで、高解像度の映像処理や分析に使用されます。不審なアクティビティの検出やパターン認識などで性能を発揮します。
製造作業の自動化 製造ラインの自動制御でも使用されています。旧世代品からの置き換えでは設置スペースや性能面で大きなメリットを発揮する場合が多いです。
マシンビジョン 工業用カメラを使用して製品の検査や品質管理に使用されます。製造ラインでの自動検査や、不良品の識別などに役立ちます。

Vecow製PCは、カスタマイズが可能で、顧客の要求に合わせてCPU、メモリ、ストレージ容量、電源などを選択できます。これにより、さまざまな用途に合ったコンピュータシステムを構築できます。

 

まとめ

クルマ関連で、いま特に注目が高まっている製品をご紹介しました。
Azure Kinectの代替品であるOrbbec Femto は、クルマ関連以外の用途でも多くのニーズがあり、非常に多くのご相談を頂戴しています。
今回ご紹介したような最新テクノロジーによる製品は、カーボンニュートラルやクルマ関連の2025年問題などの解決への貢献が期待されるものであり、別の業界での活用・転用で新技術の開発やビジネスチャンスの創出につながることが予想されます。

ユニポスでは、クルマ関連のトレンドに合わせて世界中からハードウェア・ソフトウェアを調達し、お客様のビジネスや研究における成功をサポートいたします。ユニポスWEBサイトに掲載のない商品も喜んでお調べしますので、お気軽にご相談ください。